バリ島は90パーセントの人たちが、バリ・ヒンドゥー教です。
インドのヒンドゥー教とはすこし違った土着の文化が根強く残るバリ島ならではの独特な儀式などが多くあります。
バリ島で結婚して、子供を生み毎日の生活を送っていると、どうしてもこのバリ・ヒンドゥーと密接に関係しなければならなくなりました。というよりもむしろ、バリ・ヒンドゥーを通して、自然に神というものを意識し始めたという気がします。日本での生活の中では見出すことが出来なかった自分の心の奥にあるものがここでは言葉になって、自分の考えとして、表面化することが出来ます。それが、人々にとっての宗教、そして神なのかも知れないと最近感じています。 

バリでは主に女性がお寺へ行ったり、日々のお供え物するのが役目です。毎日これをやっていると、その目的、というのがだんだんとわかってきました。女性(主婦)は、一家をささえる大切な柱であること、女性(主婦)が家族のこと、家のことを毎日気をつけているからこそ、家族の健康と幸せがあるのだということ、だから主婦の役目なのか・・・と。主婦って、本当にたいへんですよね。でも、家族のことを考えて毎日の生活を送ることというのは主婦としての人生の役割のような気もします。バリの人々があったかくて、そして平和なのは、きっとそれぞれの家庭の主婦が持つパワーがあるからこそなのかもしれません。

バリのお供え物、ヤシの葉やバナナの葉、色とりどりの花やお菓子や果物などで飾られてとても華やかです。ここに住み始めてすぐの時、私には絶対こんなたくさんのお供え物を作ったりするのは無理だと思っていました。今もまだほとんど作ることが出来ませんが、ここで生活していくうちに少しずつそれが出来るようになってきました。お供え物の作り方や習慣などは村(あるいは家)によってかなりの違いがあります。ここでは私の生活するプネスタナン村でのお供え物をご紹介いたします。

また、興味のある方はチャナン作りのワークショップに是非参加してください!参加費はお一人150000Rp
(バリのお菓子とコーヒー付)バリの日常をささえる、お供え物をつくってみてはいかがでしょうか?

チャナンは、毎日お供えものとして捧げられる、バリのお供え物の基本。素材はヤシの葉で作られ、中にはポロサンが置かれます。お供え物を捧げるとき、バリ人は皆アグン山(ブサキ寺院)の方角に向かって捧げます。ウブドからみると、東北。このチャナンのなかにおかれたポロサンの向きが、必ず北東になるように皆お供え物を捧げます。
チャナンの形はいろいろあります。箱のように四角いものもあれば、花のようにかわいい形をしていたり、リボンのような華やかなものまでたくさん。
バリ人女性の手先の器用さに驚かされます。私は、といえば、花形の一番簡単なチャナンが得意(というかそれしか作れない?)
ヤシの葉でチャナンを作ったら、その中にポロサンをおき、そして3色の花びら、アジサイ、太陽の色をしたオレンジ色のダリアの花びら、最後にパンダン・ハルンという葉っぱを細かく刻んだものを真ん中において出来上がり。我が家では、全部で36個のお供え物を毎日お供えしています。
サイバンは、チャナンよりも簡単な日々のお供え物。時々チャナンが用意できない日は、サイバンだけでもOK。バリの神様は寛大です。お供え物は日々必ずしなければならないわけではありません。あくまでも本人の自由。それでも、こうして毎日バリ人たちはお供え物を欠かすことなく捧げています。どうして、そんなにも熱心なのかな、時々それを考えることもあります。でも、私も毎日お供え物を捧げていると、「あ、今日チャナンがない」という日はなんとなく気分的に良くありません。これって、習慣なのかも知れませんね。
サイバンの作り方は、四角に切ったバナナ葉の上に、一つまみの今日炊いた炊き立てのご飯と、朝作った今日のおかず(お肉または魚類、野菜の2種)を乗せ、最後に塩を振りかけて出来上がり。もしおかずが何にもなければ、サウールというココナッツのふりかけのようなものと、塩をつけて出来上がり。まるで日本の仏壇に供えるご飯のようですね。
我が家はサイバンはチャナンと同じ36個作っています。
きっといろんなところにいる神様に、今日の私たちの糧を捧げ、感謝の意味があるのだろうと思います。
ポロサンは、バリのお供え物には必ずあります。でもそれ一つではお供え物にはなりません。
チャナンの中に必ず一つ入っている、いわゆる核のようなもので、これが入っていないものはお供え物としては使えません。
このポロサンの作り方ですが、土台はヤシの葉。多くはチャナンを作るときに端が余ったりするのでそれをポロサンに使います。それから、木の葉。木の葉なら何でもよいとのことですが、我が家ではダウン・ジュプン(プルメリアの葉)を使っています。そしてシレの葉(ダウン・シレまたはバセ)噛みタバコとして現在でもお年寄りを中心に好きな方が多いです。ちぎると良い香りがしますが、口の中にれると、初めての方はちょっと酔ってしまうかも知れません。このシレの葉に、白い粉とブアの種の周りだけを採って混ぜた粉をぬります。要するに、噛みタバコの材料すべて、このポロサンの中に入れるということです。神様って、噛みタバコすきなのかしら?時々そう考えながら作っています。
アジュマンという響きは、いつも私は「おまんじゅう」に似ているなあ、と感じています。
もちろん、バリの文化と日本の文化はとても似ているところが多いので、アジュマンとおまんじゅうは
もしかしたら同じルーツなのかもしれませんね。
バリのアジュマンの作り方は、まずお米を水に浸して、蒸します。やわらかくなる前の堅い状態でなべからあげるので
堅いお米です。それをひとつひとつ乾いた手のひらにとって、ぎゅっぎゅっと握りまあるい形にします。
これぞ、お饅頭のようですね。我が家ではアジュマンをつくっていると子供が「食べたい」といって
作ったばかりのアジュマンを口にいれて喜んでいます。もちろんただのお米ですから、甘くはありませんが、一生懸命作っているのを
見ていると、おいしそうに見えてくるのかもしれません。でも、あまりたくさん食べるのとおなかが痛くなるので注意です。
アジュマンはお供え物のなかでも特別な日に登場することがとてもおおいです。
代表的なのは、満月、新月、カジャンクリオンという毎月やってくるウパチャラです。
神棚や特別な場所には必ずアジュマンが供えられます。
アジュマンはタマスというヤシの葉っぱでできたお皿の上に普通は2個ずつ乗せられます。
そのほかに、小さい三角のヤシの皿にサウールというココナッツのふりかけのようなものと豆、そして玉子焼き、塩が乗ったもの、がはいり
前にはジャジョウ・ウリという米でできたおせんべいのようなもの、バナナ、そしてお菓子が乗せられます。そしてそれらの上にはチャナンが
乗せられて準備完了。ひとつのお皿にたくさんの素材が乗せられるため、準備するときはタマス(ヤシの葉のお皿)を並べて
ひとつずつお菓子やバナナをのせていく作業があります。これをムタンデンと呼んでいます。
ティパットは、ヤシの葉っぱで編んだひし形の型の中にご飯がはいった、いわゆるちまきのようなものです。これも、特別な日に使われるお供え物で、一口にティパットといってもいろんな形があり、その時のお祭りの内容や供える場所により形が違い、作り方もまた違います。
アジュマンと同様、タマスというヤシの葉でつくったお皿にいれて使われます。アジュマンと同じようにサウールやお菓子、バナナ、チャナンなどが入っています。一番身近なティパットは、カジャンクリウォンという約15日に一度やってくるウパチャラに使われます。
ティパットやアジュマンにはお菓子やバナナ、果物も入っているので、我が家ではお供えしてすぐに今度はドゥンソウルといってチャナン以外のものは神棚から下げます。そしてお菓子や果物、ティパットはみんなで食べるのです。お供えするものを「アトゥラン」といい、下げたものを「ドゥンソウラン」といいます。神棚から下げたら、家を訪れた人たちに口々に「お供え物を食べる?」と聞くのが習慣です。お供え物の食べ物を自分たちで食べることはご利益のあることだと考えられているようです。子供たちの狙いは、もっぱらこのドゥンソウラン。バリの伝統的なお菓子や、バナナ、みかんなどいろいろあるからです。
スグハンは、カジャンクリオンのときなどに地面に関するものにお供えされます。
地面にはブタカロという悪い神様が住んでいるそうで、その悪い神様がいたずらをしないように
こうしてお供え物をささげるのだそうです。
ご飯がのっているところには、実はバワンメラ(小さな赤いたまねぎのようなもの)と、しょうがをみじん切りにし、
塩を混ぜてあります。実はこれ普通にご飯を食べるときに付け合せにしてもとてもおいしい。
作っているときにぷ〜んと漂う匂いをかぐと、なんだかご飯を食べたくなってくるほどです。
スグハンはお線香をあげてマントラ(お願い事)をとなえたあとに、右端にあるお米を三回地面に撒きます。
その後、タボハンというお酒(ブラム・またはアラックという地酒)を三回地面に撒きます。
こうして、ブタカロさんが悪さをしないようにお願いをするのです。
このお供え物は主にサンガ(庭の北東と西にある祠)と子供のための神棚、
そして胎盤をうえてあるニャマネという石の上に供えます。
四角いお皿の中には、みかん、お米の粉、お米でできたおせんべい(ジャジョウウリ)、アンボー(チャナンに乗せるパンダンハルンという草を乾かしたもの)、マコー(噛みタバコ)、そして花びらが入ります。上にはパドマとよばれるヤシの葉で切ったきり絵のような飾りがつけられます。
バリのお供え物
チャナン
ポロサン
サイバン
アジュマン
ティパット
プブルシアン
スグハン
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